レペゼン地球というグループが解散しました。ニュース等で見聞きする限りは、どうもお金についてイザコザがあったようです。そして、トラブルの大本は、株主が誰かということのようです。
日本の会社法では、株主が一番エラいことになっています。社長の任命や社長の給料をいくらにするかも株主が決定します。大抵の中小企業の場合、設立時の株主構成がそのまま続くことが多いです。だからこそ、最初に誰を株主にするかが非常に重要になります。
よくある失敗例からやってはいけない株主構成を見ていきましょう。
1. 友人・知人で出し合った
子がいない夫婦が株主になると、他家に資産が渡っていく可能性があります。相続などでやむを得ず株主になる場合には、遺言でもらう人を指定するなどの対策が必要になります。
友情は素晴らしいですが、不変ではありません。残念ながら「金の切れ目が縁の切れ目」になることの方が多いです。レペゼン地球の株主だと主張されている人達も、最初は友達どうしだった筈です。2名であればどちらかが主導権を取ることもできますが、人数が増えてくると収集がつかなくなります。「船頭多くして船山に登る」です。
ビジネスでの友情は否定しませんが、少なくとも友情と資本金は別にしておいた方が無難です。
2. 兄弟姉妹で均等ずつ
仲が良い兄弟姉妹は素晴らしいです。それぞれが結婚し、家庭を持つとなると事情が変わってきます。それぞれの配偶者どうしは他人だからです。不仲になった兄弟姉妹がいるために会社運営に支障が出たり、株式の買取り請求があって資金繰りを圧迫したりといろいろな問題が出ることがあります。また、孫の代になればいとこどうしになるので、関係がより希薄になりトラブルの可能性も更に高くなります。
引き継ぐべき事業があれば、兄弟姉妹1人1人ずつ会社を設立するのがベストです。
3. 配偶者と半分ずつ
夫婦円満は良いことです。嬉しいことも辛いことも折半できます。しかし、株式は折半しない方がよいです。万が一(といっても確率的には約30%程度ですが)、離婚した場合には決定権を失い、会社は何もできなくなってしまいます。主決定者が2/3超となるような株主構成が理想的です。ご夫婦で株式を持ちたい場合、7:3もしくは8:2での出資をご提案させていただくことが多いです。
4. 子がいない夫婦
子がいない夫婦が株主になると、他家に資産が渡っていく可能性があります。相続などでやむを得ず株主になる場合には、遺言でもらう人を指定するなどの対策が必要になります。
例えば、地元の有名企業の株主である山田太郎さんと特に資産がない鈴木花子さんが結婚しているとして、太郎さんと花子さんに子どもがいなかったケースを考えます。太郎さんが先に亡くなった場合、太郎さんの株式は花子さんが相続することになりますが、花子さんが亡くなった場合は鈴木家の人間に山田家の株式が渡っていってしまいます。
いかがだったでしょうか。会社設立の際は株主を誰にするかは慎重に決められてください。後で修正が効かないことの方が多いからです。
また、いずれの場合も、株主総会の議事録や株主名簿などの株主に関する書類を取っておかないと致命的です。設立時の発起人、毎年の役員報酬の決定、株式の譲渡や贈与など書類を作らないといけないタイミングは頻繁にあります。また、平成28年10月1日から登記申請の際に株主名簿の添付が義務になりました。 全ては揃わないにしても、できる限りコピーなどを取り寄せるようにしましょう。あなたが少数株主であれば猶更です。